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KDFコラム

新年のご挨拶を兼ねて特例民法法人移行のご報告

KDF理事長 和田精二

新年おめでとうございます。
今年は日本をとりまく世界と同様に社団法人であるKDFにとっても大きな体質転換の年となりそうです。

その背景には、行政改革の一環として昨年の12月に施行された新しい公益法人制度があります。初めて聞かれる方もいらっしゃると思います。ちょっと長くなりますが、以下にご説明いたします。

◆公益法人(社団法人・財団法人)とは?

社団法人とは一定の目的のもとに集った人(社員)によって構成される団体で、社員の会費により総会の決定に基づいて運営がなされます。同じ公益法人でも財団法人の場合は、社員が存在せず、基本財産の運用益により設立者が定めた寄付行為によって公益を目的に運営がなされます。

公益法人は民法第34条に基づいて、1公益に関する事業を行うこと 2営利を目的としないこと 3主務官庁の許可をとること、の3条件を満たす必要があります。ところが、社団法人においては会費のみ、財団法人においては基本財産の運用益のみで事業を行うのは困難なため、実際には基金を有している社団法人や、会員制度を有している財団法人が数多く存在し、その違いが分かりにくくなっているのが実情です。

なお、デザイン業界における社団法人には、日本インダストリアルデザイナー協会、日本パーケージデザイン協会、日本サインデザイン協会、日本クラフトデザイン協会、日本デザイン保護協会、富山県デザイン協会、埼玉デザイン協議会等があり、財団法人には、日本産業デザイン振興会、国際デザイン交流協会、日本ファッション協会、大阪デザインセンター、石川県デザインセンター、ふくい産業支援センター・デザインセンター等があります。

◆新しい公益法人制度とは?

さて、昨年12月1日に、民法の公益法人に関する第34条以下の規定が110年ぶりに改正され、社団法人・財団法人と称されてきた全国25,000強の公益法人の法律上の根拠がダイナミックに変わりました。

これまでの法律では、公益法人(社団法人・財団法人)と営利法人(株式会社等)の間に中間法人(NPO等)がありましたが、今回の新制度の施行で中間法人と公益法人が一元化されると共に、「一般社団法人」「一般財団法人」(2階建ての1階と言われています)と「公益社団法人」「公益財団法人」(2階建ての2階と言われています)に分類されることになりました。2階に入るか1階に入るかは、申請団体の意思ではなく特定大臣の下に置かれた民間有識者からなる委員会が決めます。

2階に入れた団体は「公益法人」と謳えることができる上に優遇税制の適用が受けられるため、当然2階に上がりたい団体が殺到すると思われますが、そこには委員会の厳しい目が光ることになります。2階に上がるための認定基準は、1公益目的事業比率が費用で計って50/100以上 2経理的基礎および技術的能力を有すること 3法人関係者に特別の利益を与えないこと、が求められます。現状のKDFを考えれば、1と3は全く問題ありません。 2の経理的基礎能力の補強が必要ですが、技術的能力についてはいかなる尺度でどのように判断するのか皆目分かりません。

◆改正された背景は?

 なぜこのような改正がなされたかといいますと、これまでの法律では、公益性がなくなってきた公益法人に対して法的対応ができないために、果公益性の乏しい公益法人が増えたり、一部の公益法人の不適切な運営が国会議員の汚職事件(KSD事件)に発展したことなどが影響していると思われます。

◆KDFは12月1日付けでどうなったのか?

 これから申請する団体はともかくとして、昨年の12月1日時点における従来の公益法人には、公益社団・財団法人(2階)または一般社団・財団法人(1階)のいずれかに移行するという選択肢が示されましたが、自動的に特例民法法人に移行することもできました。この場合、従来の主務官庁(KDFの場合は神奈川県商工労働部工業振興課)が監督する体制下で5年間のモラトリアム期間を得ることができます。この期間に移行申請を行わなかったり、行っても認可が得られなかった場合は即刻解散命令が下されることになっています。

KDFは、昨年秋に開催した臨時理事会で、一般社団法人を選択せずに公益社団法人を目指すことを目標に、まずは特例民法法人を選択しました。特例民法法人の場合、従来どおりの名称である「社団法人KDF」を使用できますし、監督官庁も変わりません。

◆結論は?

 以上の通り、KDFは従来どおりのまま何も変わらずに年を越しました。1月に実施する理事の選挙も従来どおりの規則・運営で実施されます。そこで選出された理事が理事長を選び、理事長が指名した執行役員が、5年間というモラトリアム期間内のいつごろに公益社団法人の審査を受けるか、それまでにいかなる準備をすべきかを決めることになります。私の勝手な想像ですが、僅かの固定資産しか持たず、収支トントンならば乾杯!というKDFにとっては、公益性の認定が受けられなかったときに、優遇税制面での不利益があっても大きな負担にはならないものと推定できます。むしろ、デザインという職能団体の行っている公益事業に対する正当な評価が下されるかどうかという根本的な問題のほうが重要であると考えています。

◆KDFの目指す方向は?

KDFは、行政に対するデザイン貢献、すなわち県民に対するデザイン貢献に組織の命運を賭けています。既に、かながわブランディング支援、デザイン面からの教育支援、WEBデザイン支援、地域産業支援、エコデザインプロジェクト、ユニバーサルデザインプロジェクト等が新しい会員を迎えることでパワフルに動き始めています。2年後、3年後に公益社団法人の審査を受けることになると思いますが、それまでに神奈川の公益に資するデザインの成果をひとつでも多くあげることが喫緊の課題と思います。これからのKDFにご支援を宜しくお願い申し上げます。ここまで辛抱強く読んでいただいたことに厚く御礼を申し上げます。