理事長挨拶
日頃よりかながわデザイン機構の活動にご支援とご指導を賜り、深く感謝申し上げます。
さて、公益法人制度改革関連法案の施行に伴い、既存の公益法人は一般社団法人または公益社団法人のいずれかを選択する必要が生じましたが、社団法人かながわデザイン機構は公益法人を目指すことを決定、2013年8月2日、県に対して申請を行いました。これまで四半世紀にわたりデザインを通して地域の文化・産業・教育・福祉等への支援活動を行って来た実績が評価され、神奈川県知事より公益法人として認定され、2014年4月1日(火)より【公益社団法人かながわデザイン機構】(以下KDFと略記)として新たなスタートを切ることになりました。
KDFは1976年に設立された神奈川デザイン協会が1996年に解散した後、同年、社団法人として設立された団体です。設立当時から神奈川県のデザイン振興を担い、行政や公的機関等を中心にデザイン支援を行ってきましたので今回の公益法人化は必然的な選択とも言えます。これまで、地域や企業、団体等が抱える課題を生活者視点から解決することを使命として活動してきました。
KDFは地域シーズを掘り起こし観光資源などに活かす提案事業、民間企業を対象としたデザイン相談事業、中学校を対象としたデザイン教育支援、デザイン普及・啓発のためのセミナー・展示会事業などを長い間実施して来ました。一方、デザインの周囲環境の変化と共にデザインをより広義に捉えて社会をデザインするソーシャルデザインの考え方が重要になって来ました。
社会に対してより公益的な視点からデザインする場合、ものごとの一面だけでなく、対象の本質を捉え、そこから派生する様々な問題の解決を目指すことが要求されます。これまでの活動に加えてこうしたソーシャルデザインの姿勢を強めていくことが公益法人としての責務と考えます。神奈川県公園協会等と連携して実現した障害児と健常児が一緒に楽しめるユニバーサルカヌー体験会事業や県内地場産業と連携した工場の廃棄物を活用して商品を生み出すエコデザイン啓発事業等も地域に根差した活動として実を結んできました。また、県内の自然・歴史・文化を学ぶまちのデザインウォッチングやシェアスペースを活用した創作和菓子講座等のセミナー・ワークショップ事業など新たに挑戦を始めた事業も軌道にのってまいりました。
今回の公益法人の改革で、地域のデザイン団体として公益法人へ移行した例は全国的に極めて少ないようです。当社団は、このたびの公益社団法人化を機に地域のデザイン団体としてこれまで以上に事業の拡大や活動の活発化を図ることで地域社会に貢献していきたいと考えております。今後とも皆さま方のご支援ご協力を賜りたくよろしくお願い申し上げます。
理事長 田中充