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2022年12月11日(日)と18日(日)に横浜市技能文化会館にて「男の着物体験ワークショップ」(全2回)を開催しました。

「いつか着てみたいがきっかけがない」、「何を準備したらよいかわからない」という男性が世の中にはきっといるはず・・・という仮説のもと企画してみました。講師は1921(大正10)年創業の京都の老舗呉服卸 株式会社千藤の山本さんにお願いしました。内容は、全2回の長着と羽織を着る体験、男の着物のお話、プロフィール写真撮影。対象者はこれから着物を着てみたい入門者向。着物をお持ちでない方のためにレンタル着物を手配しました。

男の着物のお話は山本さんの着物哲学が随所に散りばめられた内容でした。また、参加者の皆さまのご質問に丁寧にお答えいただきました。質問の一部についてご紹介します。

Q._角帯の格に違いはあるの?
格に違いは無く、色や材質で季節感を使い分けるそうです。格を上げるのは袴を着ることです。ちなみにどんなに豪華な着物でも袴が無くては格は上がらないそう、「袴はネクタイ」だとおっしゃっていました。

Q._白足袋と黒足袋の使い分け方は?
黒足袋ではNGの場所がありますが白足袋はどんなシーンでもOKです。例えば料亭など。山本さんはどんなシーンにも対応できるようにいつも白足袋だそうです。

Q._羽織紐の種類は?
房付き(まん丸のフサフサから細い房まで)のもの、房無しのもの、ビーズ状のもの、など色々あることがわかりました。山本さんは房無しのものを使っていました。気取らないお食事会など用だそうです。

Q._古い着物の寸法直しは?
反物の幅の範囲内であれば寸法は出せます。裄については短くてもかまわない、むしろ手首が見えないとエレガントではない、と山本さんはおっしゃいます。また受け継いだ着物にはストーリーがあるのですからそのストーリーを受け継ぐことがよいとのお考えです。

参加者の皆さまからのご感想の一部をご紹介します。
「着物の着方、畳み方、礼装に必要な着方、など基本が学べた。」
「着物の良さを再認識できた。トイレでの対応を知れた。」
あぐらのかき方やトイレの方法などの説明もあり、男の着物体験ならではの内容でした。

講師の山本さんからも次のようなコメントをいただきました。
「皆様の熱意に後押しされお話しすることができました。皆様が笑顔になられている姿を見て安心しました。今後どのような着物とのお付き合いをされるかは知り得ませんがどうか良い思い出となりますことを願っております。」

着物業界人ではない私が、着物業界人(呉服卸、レンタル着物など)のお力を借りて「男の着物体験ワークショップ」を開催することができましたことに感謝しております。また何よりもご参加いただきました皆さま、本当にありがとうございました。第二弾、第三弾の企画もあたため中。またお会いしましょう~。