2023年11月29日(水)に横浜市技能文化会館にて「ハレ着でお茶パ!~茶の湯体験ワークショップ~」を開催しました。
公益社団法人かながわデザイン機構のソーシャルデザイン事業の一つである「タンスの着物再生プロジェクト」。箪笥の抽斗にしまい込まれている着物に注目し、社会や生活に豊かさをもたらす存在に再生させるためのプロジェクト。今回は、「まだ着られる着物はそのままのカタチで着ようよ」という着物を着る機会創出として夏に開催した「浴衣でお茶パ!~茶の湯体験ワークショップ~」のシリーズ企画です。
通常のお茶会では、着物の決まりごとがいろいろあるようですがそこをあえて外し「出番の少ないハレの日の着物」をドレスコードにし、かつ茶道に敬意を表しつつ催しのタイトルは「お茶会」ではなく「お茶パ!」と銘打ってみました。
このような企画に賛同して講師になっていただいたのは夏に開催した浴衣でお茶パ!にひき続き小山匡子さん。茶道裏千家準教授、株式会社スモールウィン代表でビジネスシーンで役立つ茶道思考セミナーの講師です。
まずは茶の湯のお話。
利休百首から2つの和歌の紹介がありました。2首を解説していただいた中で、茶道は修行のようであり、茶の湯はコミュニケーションツールである、というお話が私はとても腑に落ちました。参加者からは利休の七則の相客について質問がありました。「相客に心せよ」とは、お客様同士はお互いに尊重するということだそうです。七則すべてシンプルですが大切なことですね。当日の掛け軸「開門落葉多」についても解説していただき季節感を味わいました。
次にお抹茶・お菓子のいただき方体験。
小山さんの一連のお点前を拝見してから参加者にお客様になっていただきました。当日のお菓子は「亥の子餅」。亥の月(旧暦10月)の亥の日、亥の刻に無病息災を願い食べられてきたお菓子だそうです。私は小山さんの点てたお茶を運びながら抹茶の香を楽しみました。緑茶の新茶は5月ですが、抹茶の新茶は11月とのこと、11月に開催できてよかった~と思いました。
そしてお抹茶を自分で点てる体験。
通常のワークショップでは自分で点てるところまではないそうです。1人1セットを用意し、点てて飲んでいただきました。
最後は今回のオプションプランの点前座でお茶を点てる体験。
希望者は1名でした。茶杓を持ってキメボースで写真撮影しました。点前座のキメポーズはなかなか撮れないレアな写真だと思います。
「出番の少ないハレの日の着物」をドレスコードにした今回の企画。
お母様が作ってくださった訪問着で参加された方がいらっしゃいます。着て行く機会がないため今回参加してくださったとのこと。企画時に想定したターゲットど真ん中!!の方にご参加いただき本当に嬉しかったです。その他にも20代の時に自分で作ったお気に入りの訪問着、お祖母様が結婚の記念に作った思い出の刺繍の帯など、いろいろなエピソードのある箪笥の着物を拝見し私自身も楽しい時間でした。
ご参加いただいた皆さま、そして無理な企画にもかかわらずご協力いただいた講師の小山さん、本当にありがとうございました。心より御礼申しあげます。
次回のタンスの着物再生プロジェクトにもどうぞご期待くださいませ~。